2016年の4月から11月にかけて、東日本地域の4都市(宮城県仙台市、長野県長野市、茅野市、東京都多摩市)が"宮沢賢治"をテーマとした市民創作プログラム、および「風の又三郎」の舞台作品の創作・上演に、世界で活躍する舞台演出家小池博史らとともに臨む。

2016年10月19日水曜日

仙台発「風の又三郎2016-ODYSSEY OF WIND-」プレス向けプレビュー公演 (茅野市民館より)

10月9日(日)から17日(月)までの9日間、仙台市でクリエイションが行なわれた小池博史ブリッジプロジェクト「風の又三郎2016-ODYSSEY OF WIND-」。10月18日(火)に日立システムズホール仙台にてプレス向けプレビュー公演が行なわれました。連携館のひとつとして、茅野市民館から仙台へプレビュー公演を拝見してまいりましたので、ご報告いたします!

日立システムズホール仙台

ホール向かいは森林公園

「プレス向けプレビュー公演」の看板

小学校を舞台に繰り広げられるユーモアあふれた「風の又三郎」と、野原、野生、野獣…といった原初的なエネルギー体につながる「風野又三郎」。宮沢賢治によるふたつの原作が交錯しながら、能楽、ダンス、アクロバットといった身体表現と、尺八、民俗楽器のパーカッションの生演奏、風を感じる舞台美術や衣装、光と影と言葉の映像などが、さまざまに織りなされた舞台。こどもたちの感性そのままのようなゆかいな場面も多く、鑑賞していた皆さんからも、くすくすいう笑い声や、「おお!」という感嘆の声があがっていました。
会場の「シアターホール」

メディア関係の皆さんが集まりました

プレビュー公演より
2016年版「風の又三郎」は、5月に「泣き虫嘉助」役が仙台でのオーディションで決まり、この10月に演出家、キャスト、スタッフが仙台に滞在して創作されました。このプレビュー公演で「泣き虫嘉助」の泣き叫ぶ姿を見ながら、仙台生まれの新たな「風の又三郎」なんだなあ…と感慨深く思いました。

 風とともに旅をしよう 東北と世界をむすんで

地球を囲み、世界中いろいろなところを旅する「風」。そんな「風」と同じように、仙台生まれの「風の又三郎」が、長野市、多摩市、茅野市をめぐり、仙台に舞い戻ってくる。そんな「風」の舞台を、どうぞお近くのホールでご鑑賞ください!
舞台からあいさつする小池博史さん

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◆2016年10月22日(土)17:00開演・23日(日)14:00開演   
長野市芸術館アクトスペース  
https://www.nagano-arts.or.jp/

◆2016年10月29日(土)14:00開演
パルテノン多摩小ホール
http://www.parthenon.or.jp/

◆2016年11月2日(水)19:00開演
※1日㈫は市内小学4年生対象のプレビュー公演
茅野市民館マルチホール
http://www.chinoshiminkan.jp/

◆2016年11月6日(日)14:00開演
日立システムズホール仙台 シアターホール
http://www.bunka.city.sendai.jp/

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◎プレビュー公演後、小池博史さんへの記者会見より

Q. 東日本大震災から、こういった創作を手掛けるようになったことについてお聞かせください。

A. 震災が大きな転機だった。これまでの活動についても、人間についてももう一度問い直す必要があると感じた。その方向性のひとつが、人の視点だけではない視点がある「宮沢賢治」だった。昔はもっとこういう視点があったのではないか、現在は人だけの視点になっていないか、と。「宮沢賢治三部作」として、『注文の多い料理店』では〈動物〉と、『銀河鉄道』では〈死者〉と、そしてラストの『風の又三郎』は大きな〈自然〉と、それぞれ対峙している。
〈自然〉とは、人間の力ではどうしようもない、目に見えない大きな力をもっている。恐ろしくもある〈自然〉と自分たちはどう対峙していけばいいのだろう、ということを考えています。



記者会見より

Q. ユニークな作品だと思うのですが…。
A. 空間、時間、身体で構成する表現。知識で情報として切っていくのではなくて、感じ取れることがある。その点は、こどもたちのほうが素直に感じていっていると思う。ユニークというよりは、さまざまな芸能の融合であり、もっとも古典的な方法なのではないかと思っています。 

 (レポート:茅野市民館 広報担当:後町)

http://kikh.com/kaze2016/





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