2016年の4月から11月にかけて、東日本地域の4都市(宮城県仙台市、長野県長野市、茅野市、東京都多摩市)が"宮沢賢治"をテーマとした市民創作プログラム、および「風の又三郎」の舞台作品の創作・上演に、世界で活躍する舞台演出家小池博史らとともに臨む。

2016年7月27日水曜日

仙台市市民文化事業団 小池博史ブリッジプロジェクト 創作プログラム『KENJI』 桐島レンジ(映像)かく語りき

仙台市市民文化事業団 小池博史ブリッジプロジェクト 創作プログラム『KENJI』 桐島レンジ(映像)かく語りき




仙台篇フォローアップその2です。
映像担当の桐島レンジさんから、プロジェクトの感想をうかがいました。↓


桐島レンジさん


印象的だったのは、2日目。
小池博史と参加者の信頼関係が築かれた日。
濃厚な一日だった。

それを見た、桐島レンジ:「少し、厳し過ぎませんか??」
昨年のワークショップと比べて、過酷過ぎる。
車座になり、大きなホールで公演する意味などを話しました。
彼の中だけにある風景、それを我々は共有し始めた瞬間でした。

宮沢賢治をどう思うか??
そんな対話も、去年のワークショップではなかった。

配役の時間。
  
ただ、似合いそうだからと言う理由ではなく
個々の人々の可能性に賭ける姿に脅威を感じました。

参加者は、小池博史を理解し信じる。
それだけではなく、小池博史も又、参加者を信じている。
できない事は、言わない。できると信じて挑戦する関係。
これは、強力な信頼関係でした。

スロームブメント。
ただ、ゆっくりと動く訳ではない…
意識や感覚、空間や対話などを具体的に身体と結びつける。
我々の“言葉に頼り切った生活”とは掛け離れた異次元空間。
体験しなければ、理解不能な世界があった。

「遅い、まだ、遅い!!」「早い、まだ、早い!!」
どのくらいの速度かは、説明されない。
深い信頼関係の中で、感じ取らなければならない。

研ぎ澄まされた、意識や感覚での対話、決して言葉ではない。

この濃厚な信頼関係を通りすがりの見学者は理解できない。
知り合いの見学者は「イライラする」と、感想を述べた。

イライラ??
むしろ俺には完全に共有された意識に癒しすら感じた。
小池博史が有名な立派な演出家だから、言う事を聞く訳じゃない。
意識を共有されたのだ…(涙)
小池博史が見ているKENJIの風景を垣間見てしまう。

これは、日常では決して出会う事の出来ない風景だった。
「市民」なんて、人はいないんだ、誰もが必死に日常と戦っている。
一番輝かない存在「市民」なんてものに押し込まれてしまう。
本当は、誰もが可能性を無限に秘めている。

誰もが輝く存在なのだ!!
「一般市民」なんて、人は居ない!!

誰だって、輝きたい、幸せになりたい!!
なのに、“その方法”は誰も教えてはくれやしない。
お金に追われて、生活に追われて消費されてゆく人々…

唯一、小池博史は知っている。
そして、それを小池博史は命懸けで伝えている!!
ブリッジプロジェクトは、人々の心に橋を架ける!!
それが、伝わってくるのだ!!

「早い、まだ早い!!」
「遅い、まだ遅い!!」

一日中、彼は叫び続けている!!
なんて、功率の悪い方法なんだ!?

次第に、日を追う事に風景は現実化していく!!
参加者の目の色が、変わり始めている!!
もはや、これは市民ではない。

芸術が人々になぜ必要なのか!?
それは、人々を生み出すのは芸術だからなのだ!!
人を人と、たらしめる行為!!

これが、本来の人間のあるべき姿なのだ!!

(中略)


脇役などいない!!
誰もが、主人公である!!
必死に成らなければ、演じる事は出来ない!!

本気を出す!!
本気を出す!!
本気を出す!!

それでも、できないと自分に悔しくて更衣室で泣く参加者!!

回りくどく、面倒で、気力も体力も消費する。
現代では、恰好悪いとされている。
現代では、封印された方法だ。

誰もが、今、輝きを放ち始める!!
小池博史にしか、見えていなかった風景は…
もう、現実に、我々に見えている…(涙)

これは、幻なんかじゃない!!
そして、時間がない!!

これが、時間だ。
お金の為でもなく、まして生活の為でもない。
誰もが、懸命に自分がすべき事を「使命」を全うする!!

決して、鍛え上げられた肉体ではない。
しかし、その身体は今、命を宿し感覚が研ぎ澄まされ
空間や運動や意識を取り戻しているのである!!

そして、全ての参加者が!!
この10日間の夢の様な時間を公演として伝える!!
真っ直ぐに、直接、目の前で伝えるんだ!!

どっどど・どどうど。声が合わない!!
汽車が、曲がってゆく…

そんな小さなな事は、関係ない!!
※誰もが、本気で伝えたい事がある!!
この貴重な、10日間の全て!!

俺を信じろ!!
450回、殺してやる!!
生きると言えば、生きる!!
どっどど、どどうど、どどうど、どどう!!

なんて、熱いステージだ!!
出演者が、乗りに乗っているのが分かる!!
見飽きたはずの演目が、こんなにも輝いて見える!!

友人や親類、彼らに伝える瞬間!!
そして、鳴り止まない拍手と歓声!!

涙と汗と小池博史!!
ずらり、並んだ誇らしげな出演者を俺は見た。

その後で、俺は33晩、永遠に眠り続けた。
語り尽くせない時間だった。






…・・レンジさん、熱いメッセージをありがとうございました。





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